<プロモーションを含みます>

後悔・失敗しない新築戸建ての暖房計画とオススメの暖房を建築士が解説

新築

これから新築の戸建ての購入または建築を検討中の方に向けて、オススメの暖房を建築士の視点で解説します。

 

新築の戸建てでどの熱源の暖房を選択するのかはとても重要なことです。

 

一度設置した暖房を、違う熱源の暖房に変更するのは現実的ではありませんので暖房計画は間取りの計画と同じくらい大切なことになります。

 

また、選択する暖房の熱源によって光熱費も大きく変わってきますので、建築会社や工務店に進められるがままに決めるとあとで後悔する原因にもなります。

 

さらに暖房の熱源によっては新築なのに暖かくない家になってしまう可能性もあります。

 

だからこそ、これから新築の戸建てを購入・建築する方自身が暖房のことをよく理解し、納得した上で決定する必要があります。

 

この記事は下記の内容で構成されており、どの熱源の暖房方式を採用するか迷っている方に各暖房方式の特徴やデメリットが分かる内容になっています。

☑暖房の熱源にはどのようなものがあるのか?

☑各暖房方式の特徴・デメリット

☑薪ストーブを検討してみると良い理由

☑オススメの暖房 まとめ

 

中立公正な「注文住宅の相談窓口」

 



後悔・失敗しない新築戸建ての暖房計画 暖房の熱源の種類

灯油

原油価格の相場に大きく影響を受けるのが灯油を熱源にした暖房方式です。

 

原油相場で灯油の価格が大きく変わるデメリットがありますが、新築時の暖房工事の費用を一番安く出来るのが灯油のFFストーブを設置する暖房方式です。

 

一戸建てで新築時に灯油を熱源にした暖房方式を採用すると、灯油タンクを設置することになります。

 

この時に給油を定期的にどこかの会社に頼むことになりますが、定期配送の特典が付く会社に依頼することでお得になることもあります。

 

新築時に工事代金を抑えたい時に灯油のFFストーブを選択すると建築費用を大きく抑えることが出来る熱源が灯油です。

 

電気

何年か前は新築の暖房方式といえば電気、オール電化と言われる時代がありました。

 

その時はIHを付けたら○万円キャッシュバックといった大きなキャンペーンがあり、数十万円キャッシュバックを受けることも出来たことがありました。

 

ただし、筆者の住む北海道で2018年に「北海道ブラックアウト」といわれる大停電が起こってからはオール電化の危険性がクローズアップされました。

 

さらに北海道ブラックアウト以降の電気代の高騰もあり、現在は新築時にオール電化を選択するお客様もほとんどいませんし、こちらからススメることもなくなりました。

 

電気が熱源のオール電化住宅は日を使わない安全性はありますが、停電に対する弱さと電気代の高騰からオススメできない熱源と言えます。

 

ガス

都市ガスが敷設されている地域で一戸建ての購入・建築をする際は暖房の熱源はガスで良いといえます。

 

新築時の設備工事のコストは上がりますが、ランニングコストはとても魅力的です。

 

地震等の災害でガスが止まった時の復旧も早く、今後ガス代金の極端な値上がりの可能性も少ないので、都市ガスの地域で新築する方は取り入れて良いと言えます。

 

ただし、同じガスでもプロパンガスの場合は違います。

 

その都市によってプロパンガスの値段が違い、都市ガスと比べてランニングコストがとても高くなります。

 

プロパンガスを提供する会社によっても単価が違うので、選択するガス会社を慎重に選択する必要があります。

 

採用できる方と、敷地の広さで採用できるかが決まってしまいますが、薪ストーブはとても良い暖房方式です。

 

その理由は、手間は掛かりますが、環境にも優しく、薪の価格も化学燃料のように市場の相場に左右されません。

 

2022年11月の時点で薪の価格は前年と同価格で値上がりラッシュの影響は皆無です。

 

デメリットもありますが、少しでも新築した時に薪ストーブが欲しいなと思っている方は採用しておいた方があとで後悔しないでしょう。

 

後悔・失敗しない新築戸建ての暖房計画 各暖房方式の特徴とデメリット

灯油FFストーブ

新築工事のコストを抑えるために最適な暖房方式が、「FFストーブ」です。

 

なぜ灯油のFFストーブが建築コストを下げることができるのかというと、他の暖房方式と比較して灯油のFFストーブの設備工事費を抑えることができるからです。

 

灯油のFFストーブを一戸建てに設置するときに必要になる工事は、外に設置する灯油タンク、2階以上にFFストーブを設置する場合はオイルリフター、FFストーブ本体とそれに伴う配管費用です。

 

これらをすべて含んだ工事費が他の暖房方式と比較して安いのです。

 

暖房方式にこだわりがなく、建築工事全体のコストを抑えたい方に最適な暖房方式です。

 

灯油FFストーブのデメリット

灯油FFストーブの最大のデメリットは灯油を使うことです。

 

その理由は、灯油の価格が原油相場に大きな影響を受けるからです。

 

一戸建てに灯油FFストーブを設置する場合は大きな灯油タンクを設置することになります。

 

日常の給油は定期配送になりますが、原油相場が上がると輸送コストも上がるため、灯油代金が高くなってしまいます。

 

毎年安定したランニングコストで使うことができないので、この点が心配な方は他の暖房方式を検討したほうが良いです。

 

床暖房

筆者が設計する新築の戸建てでは床暖房は新築の戸建てではほとんど採用していません。

 

その理由は筆者が設計する住宅のフローリングに無垢材のフローリングを使うからです。

 

無垢のフローリングを使わない方は足元が温かい床暖房を選択するメリットがあると思います。

 

また、暖房機器を設置する場所を必要としないため、部屋のスペースを有効に使うことができる暖房方式です。

 

床暖房のデメリット

床暖房を設置する場合は、仕上げの床材を床暖房に適した材料を選択する必要があります。

 

家の仕上げにこだわりがあり、無垢材のフローリングを使い方は床暖房ではない暖房方式にする必要があります。

 

また、床暖房は暖房設備工事のコストも高いため、建築工事全体のコストも高くなってしまいます。

 

オール電化① 蓄熱暖房機

夜間に暖房機器の中のレンガを温めて、レンガに蓄熱された熱を日中放熱する暖房方式です。

 

電力会社との契約がお得な深夜電力を使える契約になりますので、この時間帯に洗濯や炊飯などの他の家電製品を使うことで電気利用金を節約することができます。

 

また、火を使わない安心感があり、火傷の心配も少ない暖房方式です。

 

オール電化① 蓄熱暖房機のデメリット

蓄熱暖房機は広い部屋ほど暖房機器が大きくなるので、設置場所を十分に検討する必要があります。

 

設置場所を取る分、部屋の中で暖房機器が専有するスペースが大きくなってしまうデメリットがあります。

 

また、前日に蓄熱の容量を設定する必要があるので、前日に蓄熱容量を小さく設定してしまうと、蓄熱がなくなり、蓄熱が始まる時間まで暖房の熱がなくなってしまいます。

 

予想より寒くなってしまうと蓄熱ができないので寒さを我慢する必要があります。

 

蓄熱暖房機でも、蓄熱がなくなった時に追加で蓄熱ができる電気の契約がありますが、電気料金が割高になるので注意が必要です。

 

また、電気を使う暖房方式ですので、停電時は使えなくなります。

 

ただし、蓄熱暖房は夜間に蓄熱させるので、蓄熱している時間帯以外の短時間の停電でしたら影響を受けません。

 

筆者の住む北海道では蓄熱暖房機を使う暖房方式だけではなく、オール電化を採用する会社が少なくなりました。

 

北海道ブラックアウトで大きな影響を受けたことでリスクを露呈した点が影響を受けているのだと思います。

 

オール電化② パネル暖房

電気でパネルを温めて暖房する方式です。

 

蓄熱暖房ほどではありませんが、通常の電気料金よりお得な電気料金で暖房を温めて使う方式です。

 

オール電化に共通な火を使わない安心感があり、小さなお子様がいるご家庭でも安心して使うことができます。

 

オール電化② パネル暖房のデメリット

電気が熱源のパネル暖房のデメリットはとにかく電気代金が高くなることです。

 

他の暖房方式と比較しても、暖房を使う期間の家計に対する電気料金の割合が高くなります。

 

灯油やガスと比較して、電気が熱源のパネル暖房は暖房のための費用が高くなります。

 

また、パネル暖房を使う電力会社との契約で、通電が切れる時間帯があるので注意が必要です。

 

筆者も以前、電気が熱源のパネル暖房のマンションに住んでいましたが、電気代金を気にするあまり部屋を十分に暖かくすることができませんでした。

 

蓄熱暖房と同じく電気を使用しますが、パネル暖房は停電の影響をモロに受けてしまいます。

 

エアコン暖房

エアコンの性能が上がり、北海道の厳寒地でもエアコン一台で暖房する方式を採用する建築会社が多くなりました。

 

夏季はエアコンとしても使用できるので、一台で二役活躍してくれますのでイニシャルコストを抑えることができます。

 

また、天井付近にエアコンを設置することにより、部屋のスペースを有効に使うことができます。

 

エアコン暖房のデメリット

個人的にエアコン暖房が嫌いなわけではありませんが、知っていることを正直にお伝えするとデメリットのほうが多くなります。

 

まず、天井付近から温風が出てきますので、エアコン暖房の家に住み始めてから失敗したと感じている方が多い暖房方式です。

 

その理由は、温風により家の中にホコリが舞い室内の空気が悪くなるからです。

 

さらに常に温風が出ていますので、家の中と肌が乾燥しがちだということをユーザーさんからよく聞くのです。

 

また、部屋の広さに対して間に合う容量のエアコンを設置しているのに、家が暖かくないと言われる方がとても多いのです。

 

実際に住んでいる人がどう思っているのかはとても大切なことですので、この意見は貴重です。

 

また、電気料金も高くなることと停電の影響をモロに受けますので、北海道の厳寒地で停電時に他に使える暖房がないと危険です。

 

実際に筆者の近所の方もエアコン暖房を使わずに、現在は灯油のストーブを使うようになっています。

 

デメリットを良く検討してから選択しないと、後悔する可能性が高い暖房方式です。

 

ガス暖房 エコジョーズ 都市ガスの場合

暖房と、給湯にエコジョーズを設置する方式は、現在薪ストーブ以外の暖房方式では一番良いと自信を持ってオススメできます。

 

ガス会社によっては、エコジョーズを使うことで、キッチンのコンロの上位機種がとてもお得に買うことも出来る場合があります。

 

暖房のパネルの設置場所の検討は必要ですが、都市ガスを使った場合のランニングコストは右に出るものがいないです。

 

温度設定だけで家全体を簡単に一定の温度にできる暖房方式ですので、住んでいる人が扱いやすく快適に暮らせる暖房方式と言えます。

 

また、エアコン暖房のように温風が出ない輻射熱方式ですので、室内の空気環境が良くなります。

 

都市ガスが入っている地域で暖房方式を検討する場合は最優先で検討して良いです。

 

ガス暖房 エコジョーズ(都市ガス)のデメリット

エコジョーズの運転に電力を使いますので停電時は使えなくなります。

 

コストが高く、暖房機器とそれに伴う配管費用が高額になり暖房設備工事が高くなります。

 

また、道路から敷地内のガス配管の工事の費用がそれなりに必要になります。

 

電気が熱源の暖房は外部の引き込み工事等の費用は掛かりませんし、灯油が熱源のFFストーブも灯油タンクから家の内部までの配管の引き込み費用は微々たるものです。

 

建築コストが高くなるデメリットはありますが、住み始めてからのランニングコストが安いことと、将来的なガス代金の増減も電気や灯油ほど大きな値上がりは予想されていない安心感があります。

 

ガス暖房 エコジョーズ プロパンガスの場合

同じガス暖房でもプロパンガスを使う場合は注意が必要です。

 

都市ガスと比較して、プロパンガスのガスの料金はとても高いのです。

 

メリットとしては、プロパンガスを供給する会社が工事をすることで、外に設置するガスのタンク(バルク)やガス配管の引き込み工事の代金が無料になることが挙げられます。

 

また、ガスの補充は契約しているガス会社の方で定期的に補充してくれますので、安心して使うことができます。

 

都市ガスと比べてガスの種類が違いというだけで、暖房を使う上での違いはありません。

 

ガス暖房 エコジョーズ(プロパンガス)のデメリット

最大のデメリットはガス料金が高いことです。

 

少し使うだけでガス料金の請求書を見ると驚くほどガス料金が高いです。

 

また、戸建ての住宅でプロパンガスのエコジョーズを使う場合、ガスの容量の点でバルクという大きなガスのタンクを敷地内に設置する必要があります。

 

約一坪分のスペースが必要になりますので、家だけでなくバルクの設置位置も含めた配置の検討が必要になります。

 

暖房を使う時期になるとガス料金が一気に跳ね上がりますので、ガス会社と契約する時に単価の交渉をすると良いでしょう。

 

薪ストーブ

筆者がおすすめする暖房方式が薪ストーブです。

 

自分の家の暖房に薪ストーブを設置したいなと少しでも思ったことがある方でしたら、迷わずに設置したほうが後悔することがないでしょう。

 

筆者が住んでいる2階建て約46坪の住宅で、冬はマイナス20度を下回ることがある地域で薪ストーブ一台で暖房をしています。

 

詳しくはこちらの記事を参照してみてください。

 

ゆらゆらと揺れる炎を見ながら静かに過ごす時間は何物にも代えがたい贅沢な時間です。

 

遠赤外線効果で寒い中帰宅した時に体の芯から温めてくれます。

 

暖房だけでなく、調理もできますので冬しか味わうことができない楽しみも魅力です。

 

また、薪ストーブは災害時にめっぽう強いというメリットもあります。

 

本体が小さいものでも100kg近くの重さがあり、強い地震でも転倒するリスクが低いのです。

 

さらに、電気を使わないので停電にも強く、お湯も作れます。

 

薪ストーブの魅力はこちらの記事でも詳しく書いていますので参照してみてください。

 

普通の暖房と違いデメリットを良く知っておかないと失敗してしまう暖房ですので、詳しくは後述します。

 

薪ストーブのデメリット

薪ストーブの設計経験と、ユーザーとしての経験をまとめた記事がこちらの記事です。

 

薪ストーブのデメリットについてこれ以上ないほどにまとめていますので、迷っている方はぜひ読んでみてください。

 

薪ストーブとガス暖房の組み合わせが最適解

薪ストーブをメインに使う方には、ガス暖房との併用をオススメしています。

・家全体のメイン暖房は薪ストーブ
・北側やトイレ等の薪ストーブの熱が行きにくい部屋に、小さな暖房パネルを付ける。
・厳寒期に家を留守にする時に、ガス暖房のパネルを小さい熱量で設定しておいて凍結防止。

この方式だと、プロパンガスでもランニングコストは高くなりません。

 

敷地内に設置するガスタンクも必要なく、ガスボンベで十分です。

 

厳寒地でこの暖房方式で何件も住宅を設計してきましたが、どのお客様からの好評を頂いています。

 

後悔・失敗しない新築戸建ての暖房計画とオススメの暖房 まとめ

新築戸建ての失敗しない暖房計画とオススメの暖房をまとめました。

 

☑暖房の熱源にはどのようなものがあるのか?

☑各暖房方式の特徴・デメリット

☑薪ストーブも選択に入れてみると良い理由

☑オススメの暖房 まとめ

 

これから自分の家の暖房を決める時は各暖房のメリットよりデメリットをよく理解しておくことが大切です。

 

建築会社・工務店の言いなりで暖房を決めるのではなく、あなた自身が各暖房方式をよく理解して納得した上で最終決定することで新しい家で快適に過ごせる暖房を決めることができるでしょう。

 

家の中のどの位置に暖房を設置するのかという暖房計画も大切ですが、どの熱源の暖房を選択するのかを決めることのほうが重要です。

 

その理由は、新しい家に住んでからの家計に大きな影響を及ぼすからです。

 

現在の燃料の相場と将来その燃料が安定しているのか、相場に大きな影響を受けないのかを知っておくことも大切です。

 

この記事がこれから新しい家での生活を送るあなたが快適に過ごせる暖房を決める一助になれば幸いです。

 

コメント