【子育て世帯は2階にお風呂!】建築のプロがその理由を解説します

Architect 建築

あなたは新しい家の間取りを検討中で、「2階にお風呂」の間取りにしようか迷っているのではないでしょうか?

 

この記事は子育て世帯の建築士である筆者が、2階にお風呂がある間取りに家に8年住んでみての経験をもとに書いています。

 

オススメするだけでなく、デメリットも建築のプロの視点で書いています。

 

この記事は筆者の下記の経験を踏まえた内容になっています。

 

・筆者の家族構成→子育て世帯、小学校低学年と保育園年中
・2階にお風呂がある家に住んで、もうすぐ8年
・設計する家も2階にお風呂がある家が多く、好評を得ている

2階にお風呂オススメな理由 メリット

一階にお風呂がある家の生活パターン例

これは子育ての経験がある方なら納得して頂けることと思います。

 

①子供をお風呂に入れる → ②脱衣場で着替える → ③寝るまで居間でテレビ
→ ④中々寝ない → ⑤寝る時間になって寝室に行く → ⑥テレビを見たまま寝てしまうこともある
 一日の最後にお風呂に入って寝る家庭は多いと思います。
そこで、1階にお風呂がある場合は上に書いたように、お風呂から上がると居間に行ってテレビを見る。
テレビに夢中になって中々寝ない。
気付いたらテレビを見ながら寝ている。
こんな経験は子育ての経験がある方のほとんどの方が経験済みだと思います。
そんな悩みを「2階にお風呂」があることで解決できます。

二階にお風呂があると・・・子供が寝る時間が早くなる

2階にお風呂があって、更に2階に寝室がある場合です。。
お風呂と寝室が同じ階にあることで、2階のお風呂に入り、お風呂から上がるとそのまま寝室に行くようになります。
我が家もそうですが、2階にお風呂がある家を設計したお客様からも好評の理由の一つがここにあります。
入浴後、寝る前に居間で遊んだり、テレビを見ないことで、子供が寝る時間が早くなります。
子供が早く寝てくれることで、親の自由な時間が作れます。
子供の世話をしながらの忙しい毎日。
親が自分の時間を作れるというのはとても大切なことですよね。



浴室が寒くなりづらい

冬はマイナス20℃を下回る厳寒地に建てる新しい家は暖かいことは当然ですが、どんな暖房方式にしてもどうしても二階のほうがわずかでも暖かくなります。

 

一般的な間取りはお風呂は1階の北側に配置することが多いです。

 

新しい家は家の中の温度差が小さくなりますが、日差しで床や壁が温まる部屋と比べると、1階の北側の温度は体感的に低くなります。

 

2階にお風呂があるとどうでしょうか?

 

暖かい空気は上に上がるので、必然的に家の中で2階の方が温度が高くなります。

 

ということは、2階のお風呂は寒くなりづらいのです。

 

小さな子供に寒い部屋で、お風呂に入り、着替えをするのは可愛そうです。

 

小さいお子様ほど、着替えに時間が掛かるので暖かい二階にお風呂があると着替えに時間がかかっても安心です。

 

寒くなりづらい2階にお風呂を配置すると、浴室が寒くなりづらいメリットがあります。

 

家全体でのスペースの有効活用→1階にもう一部屋作ることが出来る

家の間取りを決める時、本当はもう一部屋欲しいけど、スペースの都合で諦めていませんか?

 

そんな時こそ、2階にお風呂を配置することをオススメします。

 

お風呂があると、洗面脱衣室もセットになります。

 

広めのお風呂と脱衣場だと、その部屋へのアクセスのスペースも含めて6帖程度のスペースが取れます。

 

1階でスペースを広げると、基礎工事も増額になり、トータルコストが上がります。

 

2階にお風呂を含む水廻りを配置することで、コストを掛けずに1階にもう一部屋配置することが出来ます。

 

ただし、依頼している業者の間取りを作っている方が2階お風呂のプランニングに慣れている必要があります。

 

ですがコストを抑えつつ、部屋の数が増やしたい方は2階にお風呂のプランを依頼してみることをオススメします。

 

防犯になる→覗き・侵入の防止

筆者が住む地域の警察からの犯罪情報の中に、「覗き」がよく掲載されています。

 

2階のお風呂の場合、窓があっても覗き被害を防ぐことが出来ます。

 

周囲から視線が遮られている場所だと、1階のお風呂の窓からの侵入の危険もありますが、2階なら1階より安心できます。

 

2階にお風呂と水廻りは、家の防犯性を高める効果もあります。

 

ヒートショックの防止

新しい家ならヒートショックはそれほど多くないでしょう。

 

ですが、家全体であまり暖房をつけずに温めないで過ごしている家庭だと、1階の北側のお風呂はどうしても寒くなります。

 

そこで、2階にお風呂があれば、少ない暖房でも1階より2階の方が暖まるので、2階全体の部屋間の温度差が小さくなり、ヒートショックを防止できます。

 



家全体のカビの発生の抑止

断熱性が良く、換気もしっかり出来ている家でもジメジメしがちな北側の部屋の棚の後ろなどは、多湿の時期にカビが発生することがあります。

 

筆者の家は壁全面にシラス壁を塗っていて、壁全面で吸湿効果があっても多湿の時期に油断すると、クローゼットの奥のものがカビっぽくなったことがありました。

建築のプロが一番オススメ!内装仕上げ材「シラス壁」↓

シラス壁のメリット・デメリットをユーザー建築士が超解りやすく解説

 

家の中で湿気が多く発生するのはキッチンかお風呂です。

 

キッチンは炊事で発生した湿気をレンジフードで外に排出できます。

 

お風呂の場合、換気扇をつけていてもお風呂からあがる時に、お風呂の中の湿気が脱衣場に漏れてしまいます。

 

湿気は温度の低い場所に移動します。

 

換気をしていても、お風呂の棚の小さな隙間にカビが生えてしまうことは多くあります。

 

1階にお風呂がある場合は、部屋の温度が低くなりがちなので、カビの発生のリスクは高くなります。

 

この点でも、2階のお風呂は温度が低くなりづらく、お風呂の中に取りづらいカビが発生することを防ぐことが出来ます。

 



最強の家事動線が出来る→洗濯後の物干しが楽になる

2階にお風呂を配置して、脱衣場に洗濯機を配置。

 

その近くにサンルームやバルコニーなどの物干しスペースを配置。

 

そして、洗濯物を整理する少しの家事スペースを配置することで最強の家事動線が出来上がります。

 

1階で部屋数を増やすとコストアップになると書きましたが、1階に物干しのスペースを配置しても同じことです。

 

物干しスペースが2階だと洗濯物が乾きやすくなるメリットもあります。

 

脱衣→洗濯→物干し→整理

 

小さなお子様がいるご家庭では、家事の時間を作ることも大変です。

 

2階のお風呂から寝室に行くことで、子供が早く寝てくれる。

 

子供が早く寝たことで出来た時間で、2階でそのまま家事ができれば最高・最強の家事動線になります。

 

子育て世帯に読んで欲しい、子育て世帯のための間取りの作り方。↓

子育て世帯が後悔・失敗しない注文住宅の間取りの作り方12の注意点

 

急な来客時に水回りを見られずに済む

子育てに忙しい毎日は、脱衣場に干してある洗濯物をすぐに片付ける時間がないのが現実ではないでしょうか。

 

急な来客時に玄関からの導線上に、脱衣場などの水回りがあると、片付けていない水回りをお客様に見られてしまうこともあります。

 

この点でも2階にお風呂や水回りがあると、急な来客時も焦ることはありません。

 

多少散らかっていても、二階の水回りを見せる来客は限られているでしょうから、水回りを見られずに済むメリットがあります。

 

運動不足の解消

お風呂に入ることは毎日のことなので、二階にお風呂があることで階段の上り下りが運動になります。

 

2階にお風呂があることのデメリット

結論 デメリットは特にない

結論から言うと、2階にお風呂がある家に住んでいて時にデメリットはありませんでした。

 

この項目では、ある人にとってはデメリットになるかなと思うことを書いてみました。

 

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お風呂に入る時に階段に上る必要がある

子供はいつも元気いっぱいなので、お風呂に入る時に2階に行くのが面倒くさいというパターンは少ないかもしれません。

 

筆者の過程では8年間で、階段を登ることが嫌で「お風呂に入りたくない」と言われたことは一度もありません。

 

ただし、疲れて帰ってきた時に階段を上るのが嫌でお風呂に入りたくないと言い出すかもしれません。

 

むしろ大人の方が、疲れて仕事から帰ってきて2階に行くのが面倒くさいというパターンの方が多いかもしれません。

 

ここは運動不足の解消だと思ってみてはいかがでしょうか。

 

子供を抱っこやおんぶで2階につれていく必要がある時もある

出掛けて帰ってきた時や、1階で子供が寝てしまった時に、子供をお風呂に入れる時に2階まで連れて行くのは大変ですね。

 

2階にお風呂がなくても、寝室が2階にあれば同じことです。

 

この点もデメリットになる方がいるかも知れません。

 



コストアップ? ローコスト住宅の会社から敬遠されるかも

ローコスト住宅がメインの建築会社は、仕様を少しでも安くして、他社より安い金額にすることで契約を取ろうとします。

 

2階にお風呂があると、配管費用が1階にお風呂がある場合より若干高くなります。

 

筆者の会社だと、2階に配管を立ち上げる費用で、1万円くらいです。

 

ローコスト住宅は1万円の増加も嫌うことが多いです。

 

もし、あなたがローコスト住宅を建築しようとしている場合は、2階にお風呂があると詳細にいくら増額になるか確認したほうが良いです。

 

万が一の水漏れ事故の時に費用が高くなる可能性

絶対にないと言えないのが水漏れの事故です。

 

引き渡し前にチェックするのであまり起こることではないです。

 

万が一水漏れ事故が起きた場合、1階にお風呂がある場合は、床下に水が漏れます。

 

床断熱の時は断熱材を交換する必要がありますが、他の被害はほぼありません。

 

一方、2階にお風呂がある時に水漏れ事故が発生すると、修理も大事になります。

 

配管は1階の天井の中なので、場合によっては天井を破る必要があります。

 

水が漏れると下の階の仕上げまで影響するので、壁に水が染み込んでしまった場合は壁の修理も必要です。

 

あまり起きることではないですが、水漏れ事故の被害が大きいことが2階にお風呂を配置するデメリットと言えそうです。

 

将来のリフォーム時に割増金額を取られる心配

将来お風呂をリフォームする時。

 

業者が少しでもお金を取ろうとしてきた時に、2階にお風呂があることを増額の理由にしてくるかもしれません。

 

2階にお風呂を上げるのが大変だから割増と言われる可能性があります。

 

いざリフォームをする時期が来たら、複数の業者から見積をとって、良心的な業者を選びましょう。

 

手洗い場所が遠くなってしまう。

帰宅後に洗面で手洗いをする家庭が多いことと思います。

 

水回りが二階にあり、洗面が二階にあると、帰宅後に手洗いのために二階に行く必要があります。

 

最近は玄関の近くに手洗い場所を設置することが多くなりましたが、手洗いのために二階に行くことが面倒になる可能性があります。

 

老後の心配

体力が衰えてきた時に、二階にお風呂があるとその度に階段の上り下りが出来るのか心配になるでしょう。

 

間取りの検討の際にこの点が心配になるのでしたら、優先順位を決めて間取りを作ると良いです。

 

子育てを優先するのか、親の老後の心配をするのか。

 

子育て世代は少なくても20年後も階段の上り下りを心配する世代ではないと思いますので、筆者としては子育てを優先して二階にお風呂を造ると良いと思います。

 



子育て世帯は二階にお風呂 まとめ

子育て世帯が新築の間取りを検討していく中で、優先することは小さい子供の安全と将来の住みやすさ、家事動線ではないでしょうか。

 

お子様の人数によっては、予算がある中で部屋の数も欲しいし家事がし易い動線にしたかったり、悩むことが多いことと思います。

 

コストを掛けずに部屋の数を増やしつつ、子育てがしやすい間取りの作り方は「二階にお風呂」を設置することです。

 

筆者の自宅は住み始めた時に1歳の子供と、その後もう一人生まれた子供を二階にお風呂がある家で子育てしてきました。

 

8年間住んできて、二階にお風呂がある家にしたことを失敗したと思ったことは少しもありません。

 

更に本業である設計業で依頼頂いたご家庭で二階にお風呂がある家のお客様がいらっしゃいますが、とても好評を得ています。

 

あなたも「二階にお風呂」で迷っているのでしたら、思い切って二階にお風呂が前提の間取りを検討していってみてはいかがでしょうか。

 

子育てが一番大変な時期に、「二階にお風呂」があることで、あなたの子育ての負担も減らすことが出来ます。

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