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【無垢の家】メリット・デメリット・失敗しない方法を実例写真で解説

家造りコラム

木の香りと木の温もりに囲まれた暮らしがしたい。

 

そんな夢を持ち、いつかは無垢の木で造る家に住んでみたいと思っている方は多いと思います。

 

私は無垢の家の設計を今まで50軒以上手掛けてきた実務歴20年の現役建築士です。

 

無垢材で家を建てる工務店で仕事をしたのをきっかけに、無垢材で家を建てる楽しみを知りました。

 

そして、現在は独立し、依頼が来た設計の仕事は基本的に無垢材を使った家の設計をしています。

 

この記事では、基本的な「無垢材」「自然素材」とは何かの説明はしていません。

 

こちらの記事で詳しく解説しています。↓

https://masa-life.net/complete-coverage-natural-materials-merit-demerit/

 

無垢の「家」のメリット・デメリットを詳しく解説しています。

 

これから新築やリフォームで無垢材の家に住んでみたいと検討している方のための記事になります。

 

様々な特性を持つのが無垢材で造る家です。

 

その特性を理解して、いざ新築やリフォームをした時に後悔や失敗しないための記事になる内容になっています。



後悔しないための無垢の家のデメリット 8選

無垢の家のデメリット①構造材の割れが見える

無垢の家の特徴として、構造材の柱や梁をあらわしにして見える造りにしていることがあります。

 

木の特性上、乾燥して割れが入ります。

 

そして、構造材をあらわしにしている以上、柱や梁に入る割れが見えるのです。

 

木造の場合、石膏ボードなどの被覆材で構造材が見えなくなっている場合は割れが入っていないのではなく、見えないだけなのです。

 

この割れは構造上は何の問題もありません。

 

ただ、気になる方にとっては欠陥では?

 

とクレームにつながってしまうこともあります。

 

無垢の木の特性の説明をよく聞き、納得した上で決めるようにしましょう。

無垢の家のデメリット②構造材がきしむ音がする

住んでから構造材の乾燥が進むと「パキパキ」「バンっ」と結構大きな音がします。

 

これは構造材が割れる音だったり、継手部分が動いた時に木と木が擦って鳴る音で、こちらも構造的には問題ありません。

 

いつ鳴るかわからず、夜中寝ている時になることもあります。

 

神経質な方にとっては、とても驚く音かもしれません。

 

この点も特性を事前に理解しておく必要があります。



無垢の家のデメリット③傷や汚れが付きやすい

構造材や仕上げ材に関わらず、無垢の木は汚れ防止のコーティングなどはしてありません。

 

あらわしになった柱に物をぶつけてキズが付いたり、汚れが付いたりします。

 

特に床材に無垢のフローリングを使った場合、とても傷が付きやすいです。

 

汚れはワックスやオイルで付着を防ぐことが出来ます。

 

材料の特性をよく理解していないと、住み始めてから予想以上にキズが付いたなんてことになってしまいます。

 

無垢材のキズや汚れのメンテナンスについても、依頼する工務店によく確認してから採用しましょう。

無垢の家のデメリット④水に弱い

無垢の木は水がついてそのまま放置してしまうと、シミになったり、水が浸透して下地の材料が傷んでしまいます。

 

コップの水をこぼした時などはすぐに拭き取って乾燥させれば問題ありません。

 

ですが、知らないうちに水滴が付いていて、気付いたらシミになっていたということもあります。

 

デリケートな材料なので、水廻りや水が付きやすい箇所に無垢材を使う場合はいつも異常に気を使う必要があります。

 

適材適所が大切です。

 

この点も依頼する工務店さんとよく相談して下さい。



無垢の家のデメリット⑤反りや継ぎ目に隙間ができる

☑フローリングの継ぎ目の隙間。湿度の多い時期に元に戻る。

 

無垢の木は、乾燥に伴い反り継ぎ目に隙間ができることがあります。

 

これも材料の特性上、避けられないものです。

 

無垢の木は呼吸をしています。

 

内装材のフローリング、壁や天井の羽目板に無垢材を使う場合に反りや継ぎ目の隙間ができます。

 

反りに関しては、一度反ってしまったものは元に戻りづらいです。

 

使う材料の樹種により、程度に差があります。

 

そして、継ぎ目の隙間について。

 

乾燥する時期に隙間が大きくなり、湿度の多い時期にはいずれ元に戻ります。

 

隙間が気になり、年中同じ状態で保ちたいという方は無垢材の仕上げ材はやめておいた方が良いです。

 

隙間ができる季節は、出来た隙間にホコリが入り、少し掃除がしづらくなります。

 

反りや隙間も無垢材の特性上、避けることが出来ません。

 

採用する際はよく説明を聞き、完全に理解・納得した上で決定して頂くと、後々のトラブルになりません。



無垢の家のデメリット⑥建具の建て付けに影響が出る

構造材を現しにした「真壁」造りの場合、建具の建て付けに影響が出ます。

 

そして、ドアや引き戸などの建具に無垢材を使った時も同様です。

 

一番影響が出るのが湿度の多い季節です。

 

湿気で木が膨らみ、建具が動きづらくなったり、全く動かなくなってしまうことがあります。

 

乾燥する時期まで放っておけば元に戻ります。

 

ですが、全く動かなくなった場合は場所によっては調整の必要が出てきます。

 

よく誤解されがちなのが、建具が動きづらくなった時に構造的な問題があるのではと思われることです。

 

ですが、構造的な問題は全くありません。

 

木という材料の特性であり、無垢の家にはつきものです。

 

反りや割れと同じく、不具合が出るとわかりやすいものですので、建具の建て付けの調整がいづれ必要になることが多いことを事前に理解して頂きたいです。

無垢の家のデメリット⑦塗装をした場合の再塗装の必要性

☑柱と梁の継ぎ手に出来た隙間を埋木処理。

 

現しにした構造材や仕上げ材に塗装仕上げにした場合です。

 

説明したように、木の特性上、材料が割れたり、反ったりして隙間が出てきます。

 

色を付ける塗装仕上げの場合、この隙間の部分の素地の色が見えてきます。

 

自然の物に塗装した以上避けられません。

 

こちらも同じく目立ってしまうところですので、事前の理解が必要です。

無垢の家のデメリット⑧節が抜けて穴が開く

節付きの材料、特に仕上げ材のように厚みの薄いものを採用する場合です。

 

「死に節」といい、乾燥と共に節が抜けて穴が空いてしまいます。

 

仕上げ材の場合「節無し」と「節あり」が選べる材料があり。「節あり」の方がコストが掛かりません。

 

コスト重視で「節あり」の材料を選ぶ場合、節が抜けやすい材料ではないかの確認が必要です。

 

カラ松などの成長が早く節が多い材料は、抜け節が発生しやすいです。

 

気を付けて採用しないと、節が抜けて下地材が丸見えなんてことになってしまいます。

施工する工務店が限られる

無垢の家は大手ハウスメーカーでの施工は難しい場合があります。

 

大手ハウスメーカーは自社のプランや仕様に合わせて、年間に何棟建てるかを重視しています。

 

施主の要望よりも、施主に自社の仕様に合わせるように話を持っていくことが多々あります。

 

そこで無垢の家を建てたい場合どうすればよいのでしょうか。

 

無垢材の扱いが慣れている大工がいる工務店、または無垢の家の設計の実績がある設計事務所に工事監理を任せることです。

 

無垢の家は材料の特性を理解し、その特性に合わせた施工と設計が大切です。

 

何でもやりますと言うスタンスの工務店やハウスメーカーは、実は無垢の家の実績がなく、完成したら納得のいかない家が出来てしまう可能性があります。

 

あなたがこれから工務店やハウスメーカーを探す際はこの記事の内容について何気なく質問してみて下さい。

 

あなたが理解し納得のいかない返答が来た場合は、その工務店やハウスメーカーは無垢の家の施工に慣れていません。

 

要するに、無垢の家は特性とを理解し、実績がある施工業者がすぐに見つからないのです。

 

無垢の家を建てたことに後悔しないために、中々施工業者が見つからない場合は、無垢の家の実績がある設計事務所に依頼すると良いでしょう。

 

設計事務所が無垢の家に慣れた工務店とつながっていると思います。



無垢の家のメリット 6選

無垢の家のメリット①木の香りがする

家に入ると木の香りがします。

 

住んでいる方は慣れてきて、いずれ感じなくなりますが、来客時必ず言われるのがこの言葉です。

 

「木の良い香りがする。」

 

以前、木の家の工事中の前に、近所の保育園の子供達が遠たときのこと。

 

外回りの工事が終わり、暑い季節だったので玄関ドアを開けていました。

 

すると子供たちから、

 

「うわぁ~ すごい木の匂いがする!! いいなぁ~」

 

と言われたことがあります。

 

木の香りの中で暮らすと、なぜか心が落ち着きます。

 

そして、完成見学会をした時も、概ねお子様連れのご家族からの評判が良いです。

 

要するに人は年齢を問わず、木の香りが好きなのでしょう。

 

毎日木の香りに癒されながら暮らせることが、無垢の木の家のメリットです。

無垢の家のメリット②湿度環境が整う

木は呼吸をしています。

 

湿度の多い時期は湿気を吸い、いずれ乾燥する時期になれば湿気をはき出してくれます。

 

この効果で家の中の余計な湿度が少なくなり、快適な環境にしてくれるのです。

 

私が住む北海道なら、木の調湿効果で湿度の多い時期も快適に、エアコン無しで過ごせます。

 

無垢の家は、機械に頼らず快適な湿度環境にしてくれるメリットがあります。



無垢の家のメリット③保温効果がある

無垢の木で造る家は、寒い時期に底冷えすることがありません。

 

私が設計を手掛ける寒冷地では、真冬に数日間家を開ける時は、凍結防止に念の為、暖房器具を弱めに設定して出掛けて頂くようにお願いしています。

 

これだけしておけば、帰ってきても寒すぎることなく、少し暖房を入れればいつもの暖かさが戻ります。

 

特に比較しやすいのがフローリング材です。

接着剤で張り合わせたフローリング → 暖まるまで時間がかかる。底冷えする。
無垢のフローリング        → すぐに温まる。

足元が冷たいと余計に寒く感じますよね。

 

でも無垢の木の保温効果で、床の冷えすぎを防ぐことが出来るのです。

 

そして、柱や梁を現しにした造りなら、これらの構造材も保温効果を持ちます。

 

この保温効果により、冬の暖房代の節約にも貢献してくれるメリットがあります。

 

無垢の家のメリット④独特の雰囲気の家ができる

設計を依頼していただくお客様に共通していること。

 

それは

 

「普通の家は建てたくない。」

 

というものです。

 

ビニールクロスや新建材、化学物質に囲まれた家には住みたくない方がほとんどです。

 

無垢の家はハウスメーカーが建てる様な単調で、どれも同じような家ではありません。

 

あなたの家だけの独特の雰囲気やデザイン。

 

良い意味でマニアックな家ができて、あなたの家だけのオリジナル性が抜群です。

 

普通の家ではなく、周りの人たちに自慢できるような家造りが出来るのも無垢の木の家のメリットです。



無垢の家のメリット⑤健康にとても良い

無垢の家に住むと心がやすらぎます。

 

そして、今まで沢山の無垢の家を手掛けてきて、お客様に一番喜ばれていること。

 

それは

 

「喘息やアトピーの症状が軽くなって、居心地が良い。」

 

「子供が家で嫌な匂いがしなくなったと言っている。」

 

ということです。

 

無垢の家は、無垢の木を使うことはもちろんのこと。

 

壁や天井の仕上げにも、極力化学物質の入っていない、自然の素材が原料のものを使います。

 

科学的な根拠を出しているものもあります。

 

ですが、まだわからない人間の体に良い効果を与えてくれるものがあるのかもしれません。

 

健康的な住環境で暮らしたいという要望が最優先の方にとっては、その要望を叶えてくれるメリットがあります。



無垢の家のメリット⑥薪ストーブがとても似合う家になる

家の暖房をどうするか。

 

寒冷地なら結構悩む要素です。

 

様々な暖房方式がある中で、「薪ストーブ」に憧れを持っている方は多いと思います。

 

沢山の無垢の木の家の設計を手掛けてきて、その家に薪ストーブを沢山導入しました。

 

どのお家も薪ストーブがとても似合っています。

 

木があらわしになった家に薪ストーブ。

 

最高の組み合わせだと思います。

 

どんな家にも薪ストーブを導入することは出来ますが、木の家ほど薪ストーブが似合う家はありません。

 

あなたも是非、木の温もりに、薪を燃やして温かい住まいを実現し、心も安らぐ空間で過ごして頂きたいです。

 

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まとめ

無垢の家のメリット・デメリットをまとめてきました。

 

無垢の家で失敗し、後悔したいためにはメリットよりデメリットをよく理解する必要があります。

 

デメリットを理解せずに、メリットだけ考えて無垢の家にしようとすると、デメリットがあなたにとって大きな後悔に繋がる可能性が高いです。

 

この記事に書いてあるデメリットを知り、依頼する工務店さんにじっくり説明して頂き、納得した上で無垢の木の家を実現して下さい。

 

断言できるわけではありませんが、あなたにとって最高の住空間。

 

心の底から納得のできる「無垢の家」を造ることができると思います。