薪ストーブのある生活には普通の暖房では味わうことが出来ない魅力が沢山あります。
この記事では薪ストーブがあることで毎日の生活にどのようなメリットがあるのかに焦点を当てて、薪スの魅力とメリットを下記の目次の内容でまとめました。
記事の内容は筆者の建築士としての薪ストーブのある家の設計経験と、9年間のユーザーとしての経験をもとに書いています。
使っている人だからこそ伝えることが出来ることをまとめていますので、これから薪ストーブの購入を検討している方が薪ストーブにはどのような魅力とメリットがあるのかがわかるようになっています。
ユーザーだけが知る薪ストーブのメリット12選
薪ストーブのメリット① 運動不足の解消になる
☑ダンプから下ろした4立米のナラ薪
☑ほぼ半分の2立米の薪。冬はウッドデッキも薪置場に
薪を自分で割って造ることもありますが、なかなか自作の薪で一冬越せるだけの量が集まりません。
購入した薪はダンプで運搬してきて庭先降ろしなので、その薪を運んで積んでいく作業が待っています。
4立米購入するのですが、1人で大体4時間程かかります。
この作業がかなりの運動量なので、普段何も運動をしていない方は良い運動になるでしょう。
一年に一回、購入した薪が運ばれると共に冬の訪れを感じます。
薪ストーブのメリット② 学びが沢山ある
毎年薪ストーブを使っていても薪の積み方だったり、焚付のやり方だったり、工夫の連続です。
薪ストーブの煙突と本体の空気量をどのくらいにすれば効率良く燃やせるのか、毎日試行錯誤するので学びが沢山あります。
そして、冬の間に焚き付けが上手になると、夏のBBQの時に炭を起こすのがとても上手になりました。
今ではBBQの火起こしは団扇であおがなくても火を熾せます。
薪ストーブがあると、普通の生活では味わう事ができない学びがあるのです。
薪ストーブのメリット③ 子供の教育になる
便利になりすぎた現代、子供たちは木に火をつけて燃やすなんて経験はほとんどなくなっているのではないでしょうか。
こうした原始的な部分を薪ストーブを使って経験させてあげることが出来ます。
日常で役に立つことではないかもしれませんが、今の時代では中々経験できるものではないので貴重なことと思い見せています。
薪をどう積めば燃えやすいか、どんな木の薪がよく燃えて火持ちが良いのか。
大人でも勉強になることが多いくらいです。
後述しますが、恒例になったピザパーティーの時に子供達が一番興味を示すのが薪に火を付ける時です。
スイッチひとつで暖房が着く家に住んでいる子が多いので、薪に火を付けて燃えていく光景が珍しいのだと思います。
薪ストーブのメリット④ 光熱費が節約できる
☑天板には鍋・ケトル・エコファンが所狭しと並べてある
薪ストーブに必須なツールはこちらの記事で紹介しています。
天板が広いタイプの薪ストーブを設置することで、天板に鍋・やかんなどを置いて温めることが出来ます。
冬の間、薪ストーブを焚いてる時期はいつでもお湯が出来ている状態です。
上手に火力が調整できるようになると、長時間煮込む料理も薪ストーブで出来てしまいます。
薪ストーブから発する熱で調理をしたメニューはとても美味しく出来上がります。
こうして薪ストーブの熱を効率良く使うことで電気やガス代を節約することが出来るのです。
また、薪ストーブを動かすためには電源も必要ないので、他の暖房と違い電気代の節約にもなります。
薪ストーブはエコと節約が同時にできる優れもので
薪ストーブのメリット⑤ 美味しい料理が食べれる
☑鋳物の鍋に薪ストーブの熱をじっくりと
じっくり火にかけて調理する料理は薪ストーブの熱のおかげでとても美味しく出来上がります。
特に鋳物の鍋で作る料理はとても美味しく出来上がります。
煮物やカレーライス、他にもお芋をホイルに包んでストーブの中に入れておくだけでとても美味しく出来上がります。
ロッジのアイアンスキレットなど、調理道具を揃えていけば、薪ストーブで美味しく食べれるメニューの幅は広がるばかりです。
冬の間の食の楽しみが増えるのも薪ストーブのメリットです。
薪ストーブのメリット⑥冬の恒例行事「ピザパーティー」
☑薪を両サイドに寄せて五徳を置けばピザの焼き台に
我が家では冬になると子供達のお友達とその親御さんを呼んで「ピザパーティー」を開催します。
薪ストーブと合わせて、ピザパン+ハンドル+クッキングスタンドは購入しておいて良い商品です。
ピザの生地をのばす作業と盛り付けは子供達にお任せです。
盛り付けが終わった順番に薪ストーブでピザを焼きます。
2分半から3分ほどでピザが焼けるのですが、子供たちは自分が盛り付けたピザが焼けていく様子をじっくり見て、焼き上がりをすぐに食べます。
これがとても美味しいのです。
大人は焼く係なので食べるのは後回しですが、自分が作ったピザを美味しく食べている姿が癒しになります。
薪ストーブは部屋を暖めるだけではなく、普段できない経験ができるのも導入するメリットです。
薪ストーブの導入を迷っているあなたは、薪ストーブの付加価値という面も見て頂きたいです。
暖房としてだけで考えると決して安いものではありませんが、子供たちに貴重な経験をさせてあげたり、自分の趣味の幅が広がるという面もあります。
これも薪ストーブのメリットではないでしょうか。
薪ストーブのメリット⑦ 災害に強い
☑大きな吹き抜けから2階を一気に暖めて一台で全館暖房
2018年9月に「北海道ブラックアウト」が発生しました。
この時期は暖房は必要のない時期でした。
これが真冬だったら大変なことになっていたと思います。
厳寒期は-25℃にもなることがある地域に住んでいると、万が一の災害時に暖房がないと命に関わります。
そんな時も薪ストーブがあれば安心です。
電源の必要がなく、薪さえあれば暖房が使えるので災害時にはとても頼りになります。
水があればお湯も作れますので寒い時期に災害が起きてもお湯の確保ができます。
今の日本はいつ災害が起きるかわかりません。
北海道に住んでいると大きな地震が来ることもあります。
薪ストーブは、冬の災害への備えも同時にできるメリットがあるのです。
数ある暖房の中で一番と言っても良い、安心で安全な暖房機器と言えます。
薪ストーブのメリット⑧ 洗濯機の乾燥機能が必要ない
☑ハースゲートに物を干せばあっという間に乾く
薪ストーブを使うと、冬の間は洗濯機の乾燥機能を使う必要がなくなります。
小さなお子様やペットを買われている方は、薪ストーブ周りに設置するハースゲートを購入することになると思います。
ハースゲートに厚手のものを干しておけばすぐに乾いてしまうメリットがあります。
すぐに使いたいものが乾いてない時も、薪ストーブの前に干せばすぐに乾きます。
洗濯機から出してすぐに薪ストーブの前に干すと、湯気を上げてどんどん乾いていきます。
発する熱量が大きいので、冬の間はオープンな場所に洗濯物を置くと良いでしょう。
子供が雪遊びをして濡れてしまった靴も、薪ストーブの近くに置いておけばすぐに乾きます。
薪ストーブのメリット⑨ 適度な湿度が維持できる
開放式の暖房器具は湿度が発生します。
これらの器具を使うと、暖房期に窓に結露がびっしりなんてこともよくある話です。
一方で薪ストーブの場合は、薪ストーブの天板にスティーマーを置いて加湿したくなるくらいです。
薪ストーブを燃やすことで余計な湿度は発生しませんの、加湿で室内の湿度を丁度良く出来ます。
快適な湿度環境で過ごすことが出来るメリットがあります。
薪ストーブのメリット⑩ 環境に優しい
木は二酸化炭素を吸って成長します。
その木で作った燃料である薪を燃やすので、二酸化炭素の排出を抑えることが出来ます。
他の暖房の場合、燃料を作る過程と燃やす過程で二酸化炭素を排出します。
薪ストーブの場合、薪を燃やしても木が成長する過程で吸収した二酸化炭素を排出するだけなので環境にとても優しい燃料といえます。
筆者の場合、工事現場で出た端材を持って帰ります。
通常だと産業廃棄物として焼却処分するものですが、薪として使うことで、ここでも二酸化炭素の排出を抑えることが出来るのです。
エコで環境負荷を抑えられるメリットがあり、地球にとても優しい暖房機器なのです。
薪ストーブのメリット⑪ リラクゼーション効果 1/f
炎がゆらゆら、パチパチ燃えている姿。
薪ストーブの火を見ていると心が落ち着いてきます。
いつまでも見ていたくなるくらいです。
炎のゆらぎとパチパチいう音に次のような効果があるといわれています。
「1/f ゆらぎ」
リラックス時の脳波のα波が増えるといわれています。
ゆらゆらと燃える炎を見ながら美味しいお酒や食事をすれば毎日が豊かな気持ちになります。
薪ストーブがあれば「1/f」を毎日体感できます。
薪ストーブがあれば家に帰ると癒やしが待っています。
家を暖めるだけではなく、住んでいるあなたに癒やしも与えてくれることが薪ストーブを導入したことのメリットにもなるでしょう。
薪ストーブのメリット⑫ 火災の心配がいらない
薪ストーブの導入を検討している、または薪ストーブを使ったことのない方からよく聞かれることがあります。
「火事の心配はないのか?」
結論は、全く心配ありません。
夜寝る前は、薪ストーブの中の薪に火が着いていても、そのまま寝ても大丈夫です。
外出時も同様に、火が着いたまま外出しても問題ありません。
煙突掃除だけ忘れずにやっておけば大丈夫です。
煙突掃除の時期や費用は設置した業者さんに相談すると良いでしょう。
それでも火災のことが心配というあなたは、ホームセキュリティの導入をオススメします。
防犯はもちろんのこと、万が一に火災の時も早急に対応してくれます。
まとめ
薪ストーブがある家に8年住んで感じたメリットを書いてきました。
建築士という仕事柄、薪ストーブがある家の設計を通して自分も薪ストーブの魅力に取り憑かれていきました。
そして自宅を自ら設計して、薪ストーブのある家に住んでわかったことは毎年新しい気付きがあることです。
毎年この記事で書いたこと以外の発見・メリットが増えていくと思います。
暖房としてだけではなく、毎日の生活に彩りと豊かさを与えてくれるのも薪ストーブの魅力です。
あなたが今、薪ストーブを導入しようか迷っているのでしたら別記事の「薪ストーブのデメリット」を書いた記事の内容を検討した上で購入してみて下さい。
筆者としては、メリットよりデメリットを先に知っておくことが大切だと思います。
メリットとデメリットをよく検討してからでも薪ストーブの導入は遅くはありません。
高額でありながら少し間違えると失敗や後悔をしてしまうことがあるのが薪ストーブです。
今まで様々な薪ストーブがある家を設計してきましたが、お客様が口を揃えておっしゃられているのは
「薪ストーブを導入して本当に良かった。」
ということです。
それだけ魅力が多いものなんだと思います。
いずれにしても薪ストーブの導入には熟慮を重ねて下さい。
あなたがこの記事と薪ストーブのデメリットの内容に理解頂けるのであれば、薪ストーブを導入することで毎日の生活が豊かになるでしょう。
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