新築やリフォームでトイレの床の材料で主流になっているクッションフロアー。
「クッションフロアーを使っている人は多いけど本当に良いものなの!?」
「安っぽく見えたり、失敗しそうなデメリットもあるのではないか!?」
新築やリフォームの打ち合わせでトイレの床を決める時に出てくるクッションフロアーに対する心配な声です。
選ぶ色柄によっては安っぽくなるデザインもあり、筆者自身も自宅のトイレのクッションフロアーで失敗したことがあります。
建築のプロとしてはクッションフロアーにしたことを後悔する人をゼロにしたいので、そうなるために下記の内容でクッションフロアーについてまとめました。
クッションフロアーにするかしないかを決める上で大切なことはデメリットを知ることです。
デメリットを知ってからメリットを知り、どちらを優先するかを決めることでクッションフロアーにしたことを後悔することがなくなるでしょう。
また、この記事では筆者がクッションフロアーを施工した自宅に10年住んで発生したデメリットが現実になった実例を写真で紹介しています。
記事の中で解説しているデメリットが本当に起きて、どのような状況になってしまうのかがわかります。
さらに、クッションフロアーにすることを決める時に後悔しないための対策も解説しています。
これからトイレの床材を決めていく上で、クッションフロアーにするか他の材料にするのかの判断ができるような内容になっています。
後悔する唯一の原因 デメリットを知る
クッションフロアーにして後悔している人は、デメリットを良く調べないか、施工業者のアドバイスを求めなかった人が多いように感じます。
この章では後悔する唯一の原因ともいえる、「クッションフロアーのデメリット」を7つの項目に分けて解説していきます。
1.手入れが大変
トレイの床は水跳ね・皮脂汚れ・尿跳ねなど汚れや、誤ってこぼした洗剤を拭き忘れてしまうなど、こまめに手入れをする必要がある場所です。
手入れを怠ると付いた汚れがシミになり、取れなくなってしまいます。
リフォームや新築で施工したばかりの新しい状態でも起こることなので、手入れを怠ると新しいのに染みができてしまうデメリットと隣り合わせなのがクッションフロアーの特徴の一つです。
2.劣化する
フローリングやタイルなどの他の床材と違い、クッションフロアーは劣化するデメリットがあります。
長年使用していると色が褪せたり、表面のプリントが剥離してくることもあります。
フローリングも水や尿跳ねを放置していると劣化して着やすい材料ですが、クッションフロアーは手入れをしていても劣化する特徴があります。
また、物を置いた場所が凹んでしまい直らなくなってしまうこともあります。
凹凸ができることで汚れがたまり掃除がしづらくなり、劣化する原因の一つになってしまいます。
3.安っぽく見えることがある
クッションフロアーには木目調や石目やタイル調など、本物の素材をプリントした柄が多く、そのプリント技術は年々上がり本物に近い素材感が出てきます。
しかし、本物ではないので安物感が否めません。
なにかの素材の色調の柄を選択する時は、安っぽく見えてしまうデメリットがありますので、選ぶ際は慎重に検討する必要があります。
4.後から施工ミスが判明する
クッションフロアーを施工する際に誤ってカッターを入れてしまった箇所が、年数が経つにつれて切り込みの箇所が目立ってくることがあります。
引渡し時のチェックで見抜くべきことなのですが、施工する職人によっては見た目がわからないから良いだろうと、そのまま貼ってしまう職人もいます。
4~5年の話ではなく、10年以上経ってから判明することであることから、リフォームの時期と同時期になります。
それだけ年数が経っていると、施工時のミスなのか住んでいる人が付けた傷なのかが分かりづらいので施工会社にメンテナンスとして依頼するのも難しくなってしまいます。
良識のある職人が施工していればこのようなことは起こらないのですが、施工する時にきれいに張り合わせることでごまかしが効くことがデメリットと言えます。
5.傷が付きやすい
クッションフロアーはクッション性があることから表面は柔らかいです。
特に表面のプリント部分は柔らかく、傷が付きやすいデメリットを持っています。
誤って硬いものを落としたり引っ掻いてしまった時はすぐに傷が付いてしまうデメリットがあります。
6.補修が難しい
傷が付いたり凹みが出来てしまった時の補修方法としては、コーキングや傷が付いた箇所を一部剥がしてパッチワークのように張り替える方法があります。
ただし、住んでいる人が自ら簡単にできるものではなく、業者に依頼する必要があります。
また、今張ってあるクッションフロアーと同じ品番の商品があれば良いのですが、各メーカー数年単位で商品が入れ替わるので、同じ品番が販売していないこともあります。
そうなってしまうと、パッチワークの補修が無理なのでコーキングなどのシリコン系の材料で補修するしかなく、補修箇所が目立ってしまうデメリットがあります。
7.コーディネートが難しい
トイレを一つの部屋として見た時に、他の部屋と同じく扉やトイレの色、手洗いや手洗いカウンターの色とコーディネートする必要があります。
この際に、クッションフロアーには色や柄が沢山あり、あり過ぎることで選ぶのが難しくなってしまうデメリットがあります。
さらに、なるべく汚れや傷が目立ちづらい色柄を選ぼうとするとさらに選ぶことが難しくなってしまいます。
クッションフロアーは汚れが目立ったり、汚れが付きづらい色柄を選びつつ部屋全体とコーディネートする難しさがあるデメリットがあります。
クッションフロアーにはメリットもある
クッションフロアーで後悔する原因であるデメリットを解説しましたが、クッションフロアーにすることの「メリット」も沢山あります。
この章ではクッションフロアーにすることのメリットを解説していきます。
1.耐水性が高い
水回りの床をどの材料で施工するのかを考える時、第一に考えるのは水に強いかどうかだと思います。
クッションフロアーは水が付いてもシミが付きにくく、簡単に水拭きして掃除をすることが出来ます。
2.デザインの種類が豊富
デザインが多過ぎて選ぶのが難しい反面、豊富なデザインの中から選択できるというメリットがあります。
豊富なデザインの中から楽しみながら選んでいくことが出来ます。
3.足あたりが柔らかい
クッションフロアーはその名の通り、クッション性があります。
歩くとクッション性があることで柔らかく優しい足あたりを感じることが出来ます。
4.施工費用が安い
トイレの床材の選択肢としては、フローリングやタイルもありますが施工費用が高額です。
一方でクッションフロアーは材料と施工費を含んだ1平米あたりの単価になりますので、他の材料と比較して費用が安く施工できるメリットがあります。
コストを抑えて新築やリフォームをしたいときには第一に検討される材料がクッションフロアーです。
5.リフォームが簡単
クッションフロアーは簡単に剥がせて、剥がした後の施工もしやすい特徴があります。
フローリングなどからクッションフロアーにリフォームするのは施工も簡単で費用も安いメリットがあります。
便器以外に邪魔になるものがないトイレであればDIYで施工することも出来ます。
クッションフロアーで後悔しないための対策
トイレの床をクッションフロアーにして後悔している人に多い理由が、掃除のことです。
この章ではトイレの床をクッションフロアーにしたいけど、後悔はしたくないという方に向けて、クッションフロアーを選ぶ時の注意点を解説していきます。
1.汚れが目立たない色を選ぶ
トイレの床は汚れやすいので、汚れが目立たない色合いの柄を選ぶと良いです。
ただし、薄い色にしても濃い目の色にしても一長一短があります。
●薄い色合いを選ぶ時の注意点
薄い色合いは埃は目立ちづらい反面、黒ずみや尿跳ねの黄色い色が目立ちやすくなります。
一度付いてしまった汚れはなかなか落ちないので、薄めの色合いを選ぶ時は床にマットを敷くなどの対策をしておくと良いです。
●濃いめの色合いを選ぶ時の注意点
黒や茶系の濃いめの色合いは、足の裏の皮脂汚れや尿跳ねが目立たないメリットがあります。
ただし、トイレの床の埃が目立ちやすいデメリットもあります。
便器の横や奥の狭い隙間にホコリが溜まると掃除がしづらいので、床の掃除を怠ると埃が目立ってしまいます。
2.凹凸のないデザインを選ぶ
色合いと合わせて、どのようなデザインにするのかで掃除のしやすさと汚れの付きやすさが変わります。
クッションフロアーのデザインで失敗している人の多くは、凹凸のあるデザインを選んでいます。
タイルや石目調のクッションフロアーで凹凸のあるデザインのものを選ぶと凹凸に汚れが入り込み汚れが取りにくくなってしまうデメリットがあります。
なるべく凹凸のないデザインのクッションフロアーを選ぶことで、掃除のストレスを減らすと良いと思います。
デメリットが現実になった実例を紹介
この章ではこの記事で解説したデメリットが現実になった事例を実例写真で解説していきます。
参考にして頂くことで、これからクッションフロアーのデザインを決める方が、使い始めてから後悔することがないように筆者の自宅を例に解説していきます。
1.失敗実例写真
筆者が選んだクッションフロアーのデザインは、色が少し濃い目のベージュで、凹凸はありませんが薄く柄が入っているデザインです。
赤丸の部分が他の箇所と比べて黒くなっているのがわかると思います。
少し拡大した写真です。
便器に座った時に足を置く位置が黒ずんでいます。
色々な方法で掃除をしましたが、完全に落とすことが出来ないので今も黒ずみは残っています。
2.原因と対策
●黒ずみの原因
筆者の自宅はトイレや洗面脱衣室以外は無垢材のフローリングを張っているので、基本的に家にいる時間は裸足です。
トイレにはスリッパを置いていなく、裸足のままトイレに行っていました。
上の写真の黒ずみが目立ち始めたのは住んでから8年目くらいからです。
その間、トイレ用の掃除シートで掃除をしていましたが、黒ずみが急に目立ち始めた感じです。
新築時、クッションフロアーを選ぶ時は明るめのデザインでトイレを明るい空間にしたかったので、今は特に後悔はしていません。
ただし、リフォームでクッションフロアーを新しくする時はこの教訓を活かして、もう少し濃い目のデザインを選ぶと思います。
●対策
現在はトイレの床にマットを敷いています。
汚れが目立たずに、洗濯機で洗濯ができるのと、冬はマットのお陰で足元が冷たくならないので重宝しています。
薄い色合いのデザインを選びたい方は、足を置く位置にマットなどを敷いておくと皮脂汚れの対策になると思います。
まとめ
上記の4つの項目でクッションフロアーにして後悔しないために知っておいたほうが良いことをまとめました。
☑リフォームでクッションフロアーにする時の注意点
これからリフォームを検討していてトイレの床もリフォームを検討している方は、業者間の価格差に注意して頂きたいです。
特に内装業者は会社ではなく個人で請け負っている人が多い業種です。
内装工事ほど価格の幅が大きい工事はないので、リフォームを検討中の方は複数の業者に相見積もりを取って価格交渉を有利に進めることをおすすめします。
とはいっても、知っている業者がいない方はどこの業者に見積もりを依頼したら良いのかわからないと思います。
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☑間取りを検討中でトイレの位置に悩んでいる方必見
間取りを検討していく時にトイレをどこに配置するのかも使いやすい家にするためには重要なポイントです。
リビングにトイレがあるリビングイントイレのやホールにトイレが有る間取りのどっちが良いのかを下記の記事で詳しく解説しています。
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