【田舎暮らしの土地購入】失敗しないための注意点を建築士が解説

Architect 建築

田舎暮らしの土地を購入する際の注意点!建築士がわかりやすく解説

「田舎暮らしが理想。」

 

「田舎で家を建てて暮らしたい。」

 

そんなあなたに、今まで20件以上、家造りを通して田舎暮らしのお手伝いをしてきた経験から、田舎で土地を購入し、家を建てる時の注意点を建築士の視点から解説します。

 

家を建てるお話を頂いた際、すでに土地を購入していた方もいました。

 

土地探しからプロの視点でアドバイスをさせて頂きながら、理想の土地を購入して家を建てた方も沢山いらっしゃいます。

 

そんな経験から、建築のプロだからこそわかる、田舎で土地を購入して家を建てる時に気を付けておきたいことをまとめました。

 

田舎暮らしの現実についての記事はこちら ↓

【田舎暮らしの理想と現実】失敗後悔しない方法を建築士が解説
北海道で田舎暮らしの家の設計を手掛けてきた建築士が、田舎暮らしの理想と現実を、田舎暮らしをしている顧客からの取材をもとに執筆。田舎暮らしのメリット・デメリットをユーザーボイスから徹底解説。

土地が安い。でも注意しないと後悔すること。

当たり前ですが、都心や地方の住宅地と比較して土地の価格が安いです。

 

しかし、田舎では住宅地のように土地の形状が整っていなかったり、ライフラインも整っていない場合が多くあります。

 

その整備に予想外の費用が発生して、建築費が高くなることが多いのも現実です。

 

そして、重要なことの一つに、田舎物件はすべての土地で家を建てることが出来るわけではありません。

 

まずこの点について解説します。



注意① その土地、家を建てれますか?

これから解説する土地の形状、ライフラインの前に、田舎物件では「農業振興地域制度」というものに指定された地域の場合、農地から宅地への変更が禁止されています。

 

売り物件全てが家を建てる前提で売りに出されている訳ではないので、購入前にこの点はか必ず調べておく必要があります。

 

嘘のような話ですが、今まで不動産業者が家を建てれますと言っておきながら、自治体に調べるとこの制度の地域のため購入を断念したこともあります。

 

「農業振興地域制度」

 

これから田舎で土地の購入を検討している方は必ず覚えておいてください。

 

この制度に掛かる地域かどうかは、土地所在地の役所に物件の住所を問い合わせれば教えてくれます。

 

一点、この制度の区域内でも宅地になっている場合は家を建てられます。

 

しかし、重要なことですので、必ず役所に確認してから検討を始めて頂くようにしています。



注意② 土地の形は大丈夫?

すでに購入している場合は、その土地に合わせてベストな設計をします。

 

ただ、これから土地を購入という場合に重要なことがあります。

 

「土地の形状」 です。

 

田舎物件は住宅地と違い平坦ではない土地が多いです。

 

田舎で家を建てる時に一番お金が掛かってしまう最悪な土地の形状はこれです。

 

「きつい傾斜地」

実際に家を建てる時に、土地の整地、家を建てる範囲をある程度平らにする必要が出てきます。

 

傾斜がきついほど、この工事に多額の費用が掛かります。

 

経験上、300万以上ですね。

 

あなたはこの家を建てられないきつい傾斜部分の土地代も支払うことになります。

 

そして、家までの車でのアクセスも整備が必要となると更に費用が掛かります。

 

勿体ないと思いませんか?

 

そこまで掛けても、景観が素晴らしいなど譲れ無いことがあるのでしたら問題ないでしょう。

 

田舎での土地探しは、予想以上に選択肢が狭いです。

 

物件を見つけたときにはすぐに飛びつきたくなるのも経験上とても理解できます。

 

ただ、家造りは予算がつきものです。

 

家だけの予算でしたら、どこの建築会社でもすぐにわかりますが、田舎での設計や施工の経験がないといざ購入してから思わぬ出費がという自体になります。

 

これから田舎で土地を探そうというあなたは、良さそうな物件を見つけた時は一度深呼吸して冷静に検討することをオススメします。

 

次はライフラインについて解説します。



注意③ ライフライン

電気の心配は無いことが多い

生活に必須なライフラインの一つが電気です。

 

田舎物件でも電気の心配はほぼありません。

 

今は大体近くに電線が走っていて、そこから自分の土地まで電柱を建てて電気を通してくれます。

 

気を付けなければならない点は2つくらいでしょうか。

 

☑早めに電力会社に連絡しておく。
☑土地の上に高圧線が走っている時は電力会社に書類の届けが必要になります。

また、高圧線の人体への影響も心配がないこともないので、事前に調べておくことをオススメします。

 

電気に関しては工事する会社に任せた方が良いでしょう。



(重要)水道水は大丈夫か。

水道は前面道路の公共の水道管から引き込むのが一般的ですね。

 

田舎物件の場合、前面道路に水道管が入っていても家を建てる場所まで距離が長いと工事費が高くなります。

 

また、前面道路に水道管がなくて一番近い水道管から引き込むこともあります。

 

いずれにしても住宅と比べて水道を引き込むための工事に100万円以上掛かることが多いです。

 

それでも公共の水道を引き込めるのは良い物件と言えるでしょう。

※以前経験した最悪な田舎物件

お客様から良さそうな物件があると連絡があり、現地を確認してきました。

 

不動産会社の物件情報にはこう記載がありました。

 

「田舎暮らしに最適」

 

いざ現地に行くと、何件か家が建っていました。

 

ただ、何となくその家に人が住んでいる気配がないのです。

 

あなたも空き家の前を通った時、こんな経験ありませか?

 

明らかに人が住んでいない雰囲気。

 

その物件の場所は、公共の水道管が引き込めず、水道は井戸水しか選択肢がない場所でした。

 

偶然取引先がその場所で工事をしたと聞き話を聞くと、生活に使えるような水が出ないという答え。

 

これで疑問が解決しました。

 

いざ家を建てたは良いものの、水が悪すぎて人の気配を感じない家はすでに手放されていたのです。

 

その場所の井水は砂や小砂利が多く、ポンプのフィルターを何度掃除してもすぐに砂・砂利が貯まるとのこと。

 

これでは毎日フィルター掃除ばかりして、日常生活で水を使える状態になりませんよね。

 

手放すのも納得がいきます。

 

あなたもこれから田舎で土地を購入する際は水のこともよく調べて下さい。

 

その物件の不動産会社は問い合わせると、「井戸水が使えます。」とはっきり答えていました。

 

不動産会社は土地売ってしまえば終わりですが、その土地を購入した方は損しか残りません。

 

後悔しないように、水道についてもじっくり検討する必要がありますね。



ネット環境

ネット環境は物件の場所によるとしか言いようがありません。

 

現在ネットが整備されていない場所でも、これからどうなるかの現在の予定は業者が教えてくれると思います。

 

回線業者もしくは自治体に問い合わせると良いでしょう。

 

家からの排水設備

前面道路に公共の排水管があれば問題ありません。

 

水道と同じく、あとは距離によって工事費が高くなるかどうかです。

 

工事費に大きく影響するのが、公共の排水管に接続できない場合です。

 

その場合、次の設備が必要になります。

 

「屎尿浄化槽」

 

家の規模や自治体の定めで設置する浄化槽の大きさが決められています。

 

この工事が自治体の費用でまかない、住んでいる方が毎月維持費を払うという場合もあります。

 

ただ、浄化槽の工事を家を建てる方が負担する必要がある場合に大きな出費になってしまいます。

 

経験上、150万円以上でしょうか。

 

家の規模や自治体の定めで変わりますので、はっきりした数字をお伝えできないことをご了承下さい。

 

浄化槽についても事前に自治体で教えてくれます。

 

気になる方は問い合わせをしてみると良いでしょう。



キッチンの熱源は心配なし

キッチンの熱源は電気のIHかガスですね。

 

これはどちらにするにしても問題ありません。

 

さすがに都市ガスは無いですが、近くのガス会社と契約できます。

 

あなたが使いやすいと思う熱源を選んで問題ありません。

 

まとめ

今まで手掛けた田舎物件で大きな課題だったなと思うことを書いてきました。

 

好みの田舎物件て本当に無いものです。

 

検討している地域に物件が見つかった時はすぐに飛びつきたくなるでしょう。

 

ただ、この記事に書いたような問題があることも多いのが田舎物件です。

 

信頼できる設計士や建築会社がすでにいる方は、プロの意見もよく聞きながら物件探しをしていくことをオススメ致します。

 

この記事で書いたような問題にぶつかり、予想以上の費用がかかったり、土地が原因で家造りに失敗することを避けられると思います。

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