【自然素材 無垢材で造る家の「メリット」】自然素材とは!?

Architect 建築

自然素材の家、無垢材で造る木の家のメリットとデメリットを、実務歴20年以上の現役建築士が解説していきます。

 

私が設計する家は「木の家」を基本として、仕上げ材は極力自然素材で造る家を設計しています。

 

そこで、まずは「自然素材の家」とはどんな家なのでしょうか。

 

※「無垢の家」についての詳細はこちらの記事です。↓

【無垢の家】メリット・デメリット・失敗しない方法を実例写真で解説
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自然素材の家 木の家とは??

筆者の場合、「自然素材の家」とは極力化学物質の入っていない材料を使っていること。

 

そして、フローリングや壁には無垢の木で作られた材料、壁を漆喰や珪藻土等の自然の素材が原料のものでできた材料で仕上げている家と考えます。

 

また、「木の家」とはどんな家と考えているか。

 

構造が木造の家を「木の家」と考えるのではありません。

 

外壁を板張り仕上げにしたり、室内の仕上げ材に無垢材を使うことは当然のごとく、構造材の柱や梁が現しになっている家のことを「木の家」であると考えています。

 

家の外観はもちろんのこと、室内に入って一瞬で木で仕上げているのがわかる家「木の家」ではないかと考えています。



「自然素材で造る木の家」は一般的なハウスメーカーが造る量産的な家と違い、様々なメリット共に、よく理解していないとデメリットになってしまうことが多いのも事実です。

 

これから「自然素材の木の家」の新築を検討中のあなたや、自然素材でリフォームを検討中のあなたに自然素材や無垢材を使うことで失敗、または後悔しないためにこの記事を書いています。

 

爽やかできれいな空気が流れる居心地の良い空間が作れることが自然素材の木の家のメリットの一つです。

 

一方で、メンテナンス性や、材料の性質をよく理解せずに新築やリフォームをしてしまうと大きな失敗や後悔につながってしまいます。

 

まずは自然素材の家で使われる材料について説明していきます。



住宅に使われる自然素材の種類

無垢材

薄い板を張り合わせたて所定のサイズに作る、いわゆる「合板」ではありません。

 

一本の木から材料を所定の寸法にして作られたものが「無垢材」です。

 

床の「フローリング」や壁や天井に張る「羽目板」が仕上げ材として使われています。

 

ネットで「無垢フローリング」や「羽目板 無垢」等で検索すると、無垢材のフローリングや羽目板が出てきます。

 

フローリングや壁の仕上げ以外にも、テーブルやカウンター材に一枚ものの木でできた無垢材を使うことがあります。



漆喰・珪藻土 シラス壁

壁や天井に仕上げる「漆喰」「珪藻土」、筆者が採用する「シラス壁」

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どれも自然のものが原料で、調湿・消臭、マイナスイオン効果があるものがあります。

 

左官職人がコテで塗り上げていくことで、ビニールクロスにはない味わいや陰影がでて、その家だけの独特の雰囲気を作ることができます。

 

色も選べて、部屋ごとや部屋の中の壁面で色を変えることも可能です。



その他 断熱材、畳、接着剤

古紙が原料の断熱材である「セルロースファイバー」。

 

畳も藁床で、最近主流の和紙ではなく国産のい草で作る畳。

 

接着剤も化学物質原料ではなく、米のり等の自然原料のものがあります。



構造材

地産地消が言われるようになってから、その地域の材料を使う動きが活発になっています。

 

筆者が住む北海道の場合、「トド松」や「カラ松」。

 

他の地域では、「青森ヒバ」、「杉」、「ヒノキ」等が構造材として使われています。

 

構造材である柱や梁に輸入材の集成材を使うほうがコストが掛からず強度も取れるメリットはあります。

 

ただ、その地域で採れる材料を無垢の構造材として現しにして、味わいのある家にしたいものです。



自然素材の家 木の家のメリット

メリット①健康的な生活が出来る

今まで住んでいた住まいから、自然素材の木の家を建てて住み始めた方に多いのが、喘息・アトピー・アレルギーの症状が改善されたことです。

 

また、筆者がよく採用するシラス壁は、消臭効果やマイナスイオン効果で室内がとても快適になります。

 

特に消臭効果がすごく実感できて、室内で焼肉や鍋をしても翌日の朝には匂いが残りません。

 

このように、自然素材で家を造ると住む人の健康に良い効果があります。

 

科学的なデータもよく出ていますが、こればかりは自分で住んでみないとわからない部分です。

 

自然素材の木の家に住んでから、喘息持ちの筆者の場合、以前のマンションと比較して呼吸が楽になりました。

 

そして、来客時。

 

木の良い香りだけして、接着剤などの嫌な匂いがしないといわれます。

 

アトピーや喘息持ちのお子様が来た時も我が家は居心地が良いようです。

 

この点から、やはり自然素材の木の家は人が住みやすく居心地が良くなることが証明されているのではないでしょうか。



メリット②自然素材が持つ機能で室内が快適になる

無垢のフローリングの保温性・クッション性

保温性、クッション性があります。

 

冬に工事した時に、少し暖房をつければ床が冷たすぎることはありません。

 

これが既製フローリングだと、暖房を入れても中々暖まらず、少しいるだけで足が冷え切ってしまいます。

 

このように、無垢のフローリングは住んでからも、暖かく快適に過ごすことが出来るのです。

 

そして、無垢のフローリングはクッション性があり、足が疲れにくいです。

 

キッチンに立った時にこのクッション性がとても足に優しいです。



無垢のフローリング・羽目板の調湿作用

☑多湿になりがちな洗面室を無垢のフローリングと香りの良い「青森ヒバ」で仕上げた

 

木の調湿作用によって室内の湿度のバランスが取れるようになります。

 

多湿の時期は湿気を吸い、湿度の低い時期に湿気を放出してくれます。

 

床や天井に無垢のフローリング、羽目板を張るだけでも、室内の湿度を調整してくれるメリットがあります。

 

そして、無垢の木で仕上げることで、木の香りがする住まいの出来上がりです。



メリット③壁の調湿・消臭作用 マイナスイオン効果

なんと言っても、素材が持つ調湿作用・消臭作用で室内が快適な環境になるメリットがあります。

 

筆者が好きなシラス壁はマイナスイオン効果もあります。

 

現在シラス壁を全面に仕上げた家に住んでいますが、空気が淀んでいないと言うか、室内の空気がとてもきれいな気がします。

 

特に全面ビニールクロス仕上げの実家から帰ってきた時に実感します。

 

中々言葉では上手く説明できませんが、調湿・消臭・マイナスイオン効果は間違いなくあると、住んでて実感できています。

メリット④外壁を板張りにするメリット

外壁を板張りで仕上げるメリットは、サイディングや鉄板で仕上げでは出せない木の温もりではないでしょうか。

 

外壁の一部に木を張るだけでも、温もりがある外観になります。

 

後述する外壁塗料で仕上げた場合は、無害なので端材を薪として使うことが出来ます。

 

採用する塗料によっては、板の切れ端や残材の処分が必要なく、薪として使用することも出来ます。



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エコで環境負荷を減らせる材料なのです。

 

シラス壁を販売している会社で扱っている、左官仕上げの「ソトン壁」も自然原料です。

 

仕上げの際に地面に落ちた材料をそのままにしておいても、勝手に自然に帰ってくれます。



自然素材の家 木の家のメンテナンスについて

無垢フローリングのメンテナンス

無垢の木でできたフローリングは既製品のフローリングと比べて傷や汚れを防止する加工がしてありません。

 

無垢フローリングは素材が固くても柔らかくても傷は付きやすいです。

 

そして、無垢フローリングの仕上げに自然素材原料の塗料やワックスを使うことが多いのではないでしょうか。

 

まずは傷がついた時のメンテナンスの仕方を解説します。



無垢フローリングの傷のメンテナンス

既製品のフローリングと比較して無垢フローリングの傷のメンテナンスは少しの手間さえかければ自分で出来て費用が断然安く済みます。

☑既製フローリング 1cm四方の傷で、パテ補修と色合わせ、出張費で8,000円から

☑無垢フローリング 1cm四方の傷で、紙やすりの目の粗いものと細かいものを用意して 500円くらい
手間は自分でできるので無料

 

フローリングはお子様が小さい家庭はいくらでも傷がついてしまうものです。

 

無垢フローリングなら傷のメンテナンスは自分で出来て費用もとても安く出来てしまいます。

無垢フローリングの塗装のメンテナンス

無垢フローリングで仕上げた場合、住み始める前に塗料やワックスで仕上げます。

 

以外に感じるかもしれませんが、無垢フローリングは人が住んで、よく歩く場所ほど艶が出てきます。

 

人の足の油分で艶が増すのでしょう。

 

そして、着色する場合を除いて、クリアーに仕上げた場合は住んでいるうちに艶が増していくので、塗装のメンテナンスは必要ありません。

 

傷のメンテナンスで紙やすりで擦った所だけ、塗料やワックスを薄く付けて、あとは時間が経てば周りのフローリングと色が馴染んでいきます。

 

一般的に無垢材のフローリングはメンテナンスが大変といわれることが多いのですが、そんな事はありません。

 

むしろ既製品のフローリングよりメンテンスは楽に自分で出来て、お金も掛からないのです。



左官仕上げの塗壁のメンテナンス

漆喰や珪藻土、筆者がよく採用しているシラス壁。

 

素材の特性上、時間が経つにつれて割れが入ります。

 

特に割れが入りやすい箇所は、部屋の入り隅部の壁

 

次に下地の石膏ボードの継ぎ目です。

 

素材ごとにメンテナンスの材料や方法がありますが、どれも割れを補修するものになります。

 

補修した部分は補修していない部分と比較して色が若干異なり、補修した箇所が目立つ特性があります。

 

メンテンスの方法としては、その商品の補修キットや、割れの部分を同じ材料で埋める方法でしょう。

 

しかし、上述したように補修箇所は目立ちますので、1ミリにも満たないわずかな割れは補修せずにそのままにしておいた方が目立たない場合もあります。

 

とはいってもビニールクロスで仕上げた場合も、同じく壁の入隅が材料の収縮で広がって、ボンドコークで埋めることが殆どです。

 

ビニールクロスも隙間が出た時はボンドコークで埋めるので、補修のやり方としては塗壁と同様だと考えます。

 

ただ、塗壁が割れることに対しては何故か大きなデメリットのように言われることが多いのも事実です。

 

左官仕上げの塗壁を採用する際は、この点をよく理解してじっくり説明を受けて、納得した上で採用しましょう。



板張りの外壁のメンテナンス

メンテナンスがいらない塗料がある

☑ウッドロングエコを塗って2週間ほどの外壁。まだ色は薄い

 

無垢の板張りで外壁を仕上げる場合、メンテナンスがいらない塗料があります。

 

「ウッドロングエコ」です。

 

この塗料は、基本的に板を着色するものではありません。

 

板を腐らせる「腐朽菌」を木に繁殖させないための塗料です。

 

☑きちんと乾燥された板を使う。
☑通気層を設けて、湿気をこもらなくする
☑水はけをよくする張り方

こういった条件が揃えば板が腐ることなく、メンテナンスをしなくても外壁を維持できます。

 

着色することが前提の塗料ではありませんが塗ることで色が付きます。
(写真)

 

☑塗装してすぐは薄い緑と茶が混じったような色合い。
☑日差しが当たる場所は焦げ茶になる
☑水が当たりやすい場所は銀白色になる

このような特性があるので、家の壁面の方角によって色合いが異なることがあることを嫌う方もいるかも知れません。

 

特性を理解し、色合いも好みの方はぜひ採用してみると良い塗料でしょう。

 

ただ、メンテンスが要らないという面では、板張りにした場合の塗装のメンテナンス費用を考えると、とてもメリットの多い塗料と言えます。



着色する場合の板張りのメンテナンス

☑板・梁・窓枠を油性塗料で着色している。数年後、再塗装のメンテナンスが必要。

 

油性塗料で板に着色して仕上げる場合はメンテナンスの必要性があります。

 

風雨の当たる場所にもよりますが、早くて3年から5年目に一回目

 

遅くても6年から7年以内に一度再塗装のメンテナンスをしたほうが良いでしょう。

 

板を着色して仕上げた場合、一度もメンテナンスをしないで放置してしまうと、塗料と木が日焼けしすぎて色が乗らなくなってしまいます。

 

こうなってしまってからは、以前のきれいな色合いに戻すことが難しくなってしまいます。

 

施工した会社に相談しながら早めにメンテナンスすることをオススメします。



建築士

まとめ

自然素材の家、木の家のメリット・デメリットを書いてきました。

 

あなたがこれから自然素材の木の家を建てて住んでみたいと思っているのであれば、まずは以下の点によく注意して下さい。

☑依頼する工務店が自然素材に慣れているか。
☑木の家の実績が多いか。
☑自然素材の特性、木の特性を質問した時、納得の行く説明ができているか。
☑新築時ではなく、実際に住んでいる知人や友人、依頼する工務店が建てた家を見せてもらう。

木の素材、使用する仕上げの材料についてあなた自身もよく理解し、納得した上で建てないと後悔することになってしまう可能性があるのも自然素材で造る木の家です。

 

そして、特性を理解し、経年変化が味わいと感じれる方に向いているのが、自然素材の木の家ではないかと考えています。

 

実際に自然素材で出来た木の家に住んでみて、一般的な家と比べてお金は掛かりました。

 

ただ、とても快適で後悔する点はありません。

 

色合いの変化や傷も味わいで、子供が付けた傷もいずれ良い思い出になるような気がしています。

 

この記事がこれから自然素材の木の家を建てようとしているあなたの不安や悩みの解決のささやかな助けになれば幸いです。