【建築のプロが暴露】北海道のマンションが寒い理由は○○が原因!

Architect 建築

筆者は建築業界で20数年、木造の住宅やマンションの施工管理や設計の仕事をしてきました。

 

筆者が住む北海道の田舎では、世帯を持つと一戸建ての新築を建てる方が多いです。

 

その理由の多くが、子供ができた機会に今住んでいるマンションから出ていく。

 

何故子供ができた機会にマンションから出るのか。

 

それは今まで住んでいたマンションが寒すぎるという理由が圧倒的です。

 

そこで、20数年の実務経験から知っている、マンションが寒い本当の理由を暴露します。

 

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マンションが寒い理由は、建物の構造とか断熱性よりも、もっとヤバい実情があります。

 

おそらく北海道だけでなく、この実情は全国的に見ても共通することではないかと思っています。

 

興味がある方は読み進めてみて下さい。



結論!!北海道のマンションが寒い理由・原因

早速ですが、北海道のマンションが寒い理由をの結論から、数項目に分けて書いていきます。

 

①工事に関わる人達の意識

一棟のマンションを建てるには様々は業者や人が出入りします。

 

その人達は勿論、業者に工事を発注する建築会社が、マンションの工事には全てにおいてきちんと工事をする意識が低くなっています。

 

これは手抜きや欠陥を見過ごすということとは少し違います。

 

注文住宅の場合、発注者が家が完成するとその家に住み続けます。

 

マンションの場合、注文者はマンションのオーナーです。

 

ここが重要で、マンションに住んでいる人から寒いというクレームが来ることは殆どありません。



寒いということだけでなく、建物全般の不具合も、水漏れなど生活に支障のあること以外はクレームにならないのです。

 

この点を、建築に関わる人達が知っているので、多少のミスをしてもそのままにしてよいだろうという意識で工事にあたっている人が多いのです。

 

注文住宅と違い、小さなミスはマンションだからクレームになることがないから良いだろうという意識で工事をしていることがとても多いのです。



②断熱材の入れ方が悪かった時にどうするか!?

マンションの場合、発注者であるオーナーは、とにかく安く建てることを重視しています。

 

この点が施工が雑になる原因であると思います。

 

コストを下げるということは、一番大きい人件費のコストも削るということ。

 

当然大工の労賃もギリギリになるので、仕事が丁寧でない大工が入ると、後々粗さが目立ってきます。



マンションの場合、大工に求められるのは、仕事の丁寧さではなく速さです。

 

建物の断熱性に影響の出る断熱工事も、施工が雑だと出来上がってから寒いマンションになります。

 

注文住宅なら失敗したら直す箇所も、マンションの場合よほどのことでない限り、そのまま工事を進めてしまうことが多い。

 

断熱工事は仕上がってくると見えなくなってくる工事なので、余計に隠蔽しやすい工事でもあるのです。



③気密シートの張り方が悪かった時にどうするか!?

建物の暖かさに大きな影響があるのが、断熱材の充填と、断熱材を覆う気密シートの施工です。

 

この気密シートの施工が丁寧に施工されていると、その地域にとって一般的な厚さの断熱材を入れておけば、住んでいて寒いということはほぼありません。

 

断熱工事と同じく、気密シートの重ね巾をミスしたり、気密シートの継ぎ目の気密テープの張り方が雑でも、マンションだからという理由で見過ごされることが多いです。

 

気密シートと同じく、窓まわりの気密の施工が雑であっても、住んでいて隙間風を感じることがあります。



④安くすることが最重要!暖房容量が小さいことが多い

北海道のような真冬にとても寒くなる地域は、部屋の暖房容量の設定も重要になります。

 

前述したとおり、マンションオーナーはコストを掛けずにマンションを建てる方が多いです。

 

これが原因で、部屋の暖房容量もギリギリにすることでコストを下げようとします。

 

その煽りを食うのはその部屋に住む人です。

 

暖房容量がギリギリで、断熱性が悪いと当然部屋が寒くなります。

 

暖房容量がギリギリだと、常に暖房をフルに動かすことになり、光熱費が高くなります。

 

マンションを探す際は、建物が新しいから部屋も暖かいとはなりません。

 

多少築年数が経っていても、施工が丁寧で暖かいマンションはあります。

 

この事情をよく知っている仲介業者で部屋を案内してもらうことで、契約した部屋が寒すぎるということを避けれることでしょう。



⑤エアコン容量も勿論小さくする

北海道でも部屋にエアコンの付いているマンションが増えてきました。

 

暖房容量と同じく、エアコンの容量の設定も光熱費に緊密に関わってきます。

 

断熱性が悪いと部屋が寒くなり光熱費が高くなるように、断熱性の悪さがエアコンを使う時期の電気代に大きく関わります。

 

断熱性は冬の暖かさだけでなく、夏の暑い日に部屋でエアコンをあまり動かさなくても過ごせるようになることに関わってきます。

 

暖房と同じく、マンションオーナーはエアコンにもコストを掛けたくありません。

 

最近は、入居者を募集する際にエアコンが付いていることがアピールになるために付けています。

 

このことから、エアコンの容量も小さく設定して取り付けるため、夏場エアコンを動かした時に容量が小さいために、フル稼働になり電気代が高くなります。

 

電気代を見て驚いてエアコンを動かさなくなり、暑い日に快適に過ごせることができない部屋になるのです。



⑥決め台詞!? 「マンションだから」「借家だから」

5項目に分けてマンションが寒い理由を書いてきました。

 

6項目目は、1項目目の深堀りです。

 

工事に関わる人の意識の話をしました。

 

どういうことかというと、大小様々なミスが、「マンションだから」「借家だから」という言葉で片付かられてしまっているのです。

 

20数年間、建築業界で仕事をしていると、これまで様々な会社を渡り歩いてきた人たちと一緒に仕事をすることがあります。

 

自分がいた会社だけでなく、新たに出会って一緒に仕事をした人たちからも、「マンションだから」「借家だから」というセリフが出てきます。

 

これは建築業界全体で見ても、このような意識で仕事をしている人が多いのではないかと思うのです。



まとめ

この記事を書こうと思った大きな理由が2つあります。

1.自分が過去に住んでいたマンションがとても寒かった。
2.今新しいマンションに住んでいる人からも部屋が寒いと聞く。
以前自分が住んでいたマンションは、冬になり暖房をつけると、頭のあたりに隙間風を感じました。
施工は大手D社です。
窓際や壁の入り隅部の隙間風がひどく、工事現場で余った板状の断熱材を持ってきて置いておくことで寒さを改善していました。
寒さは改善していたのですが、マンションを出る時に片付けをして断熱材を撤去すると、断熱材を置いていた壁にカビがびっしりと付いていました。
寒暖の差で結露していたのです。
断熱性が相当悪いマンションだったということがわかります。


そして、現在地元では続々と新築マンションが経っています。
その新築のマンションに住んでいる人から、寒くていられないという話を聞きました。
部屋にある暖房だけでは寒いので、ポータブルの暖房を自分で買って部屋を暖房しているとのこと。
部屋を借りる時に、新築だから当然部屋も暖かいだろうと思っていたようです。
これからマンションの部屋を借りようとしている方には下記の点に気を付けてみて下さい。
・仲介業者に断熱性の話を聞いてみる。曖昧な返答もしくは、詳しくない担当にあたったら仲介業者を変える。
・新しいからという理由だけで部屋を借りない。
この2点に気を付けることで、自分の部屋が寒すぎるということを防げると思います。

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